乳幼児救命救急セミナー
先日は、ママサポ滋賀さんと共同開催の幼児救命救急講習会でした。
ざっと内容をまとめたものをご案内いたしました
ご参考にしていただければと思います。
***********************************
大人の救急は急病によるものが多いのに対し、
子供の救急は怪我やアクシデントで一気に心肺停止です。
5歳までは8割が、お家が現場になります。
まず、アクシデントを起こさない環境づくりを心がけてください。
【誤飲】
とにかく、身の周りに置くもの、置き方に注意。
気道に飲み込んだものが詰まっていると考えられるときには、
背中を叩いたり、大きな子どもは腹部を圧迫する方法を試みます。
子どもの頭を胸よりやや低くした状態で、大人の片方の腕の上にうつぶせに乗せ、
下あごをしっかりとつかんで気道を確保し固定します。
もう片方の手のひらで、子どもの肩甲骨の間(背中の上のほう)を4~5回叩きます。
上を向けて心臓マッサージと同じ要領で胸部を数回圧迫しましょう。
呼吸が戻らなければ、救急に連絡し指示に従いましょう。
口の中に異物が見えないのに、指を入れてかき回すと、口の中を傷つけたり、
嘔吐を誘発するほか、かえって奥に押し込んでしまうこともあるので危険です。
激しく咳き込んでいる時は、吐き出す可能性があります、
そのまま見守りましょう。
もし、異物で完全に気道が閉じてしまっていたら、
咳ができない、声が出せない、息ができない状態になります。
タバコ、洗剤ジェルボールなどは、飲み込むと激しく嘔吐します。
ボタン電池は、体内放電しながらたんぱく質を溶かし内臓に穴を開けます。
飴やこんにゃくゼリーは当然ながら、
ピーナッツは子供の気道にすっぽりハマるサイズで、
水分を吸ってジャストフィットに膨張するわ、
つまみだそうとしてもつまみにくく、崩れて取り出しにくいです。
また、磁石を2個以上飲み込むと体内で引っ付こうとして、
胃や腸壁などを挟み込み、穴を開ける危険性もあります。
子供の手の届かないところに置くように十分気をつけましょう。
以下のものを飲み込んだときは、窒息や肺や食道を傷つけるので、吐かせず、
すぐに救急に連絡をして病院で対処してもらいましょう。
・揮発性のもの(石油・ガソリン・除光液など)
・強酸・強アルカリ(漂白剤やカビ取り剤、生石灰乾燥剤など)
・鋭利なもの(がびょう・ガラス・ホチキスの針など)
【殴打・転落】
落下物についてですが、テーブルクロス、電気ケトルや、炊飯器などから垂れてるコードもご用心。
引っ張ったら上から落ちてきます。
特に掴まり立ちの頃は、なんでもつかまって引っ張ります。
高所から転落しても、身長の3倍未満の高さであれば、
上から落ちても打ち所さえ悪くなければ大丈夫。
たとえ頭を強く打っても大声で泣けば、ほぼ大丈夫です。
ただ、嘔吐・視点が合わない・反応が悪い・痙攣、麻痺がある場合は危険です。
動かさず、すぐに救急に連絡しましょう。
3歳まで高いところで生活していると、
高所平気症になることがあるので、
高さへの恐怖心はちゃんと植え付けましょう。
【出血】
出血している部分をタオルなどで
完全に血が止まるまで1〜2分強く抑えるましょう。
止血のために紐で縛ったりするのは、今時しません。壊死します。
もう止まったかな?と、何度も手を離すと止まりません。
完全に止血するまでしっかり抑え続けてください。
【痙攣】
1歳から5歳までの間は、38度くらいの発熱で熱性痙攣を起こすことがあります。
熱性痙攣には、単純型痙攣と複雑型痙攣があります。
⭐︎単純型痙攣の特徴
・発熱から24時間以内
・痙攣に左右差がない
・重篤な病気の可能性は低く心配ない
⭐︎複雑型痙攣の特徴
・発熱から2.3日してから痙攣
・片方だけ痙攣するなど、左右で痙攣の症状が違う
・短時間で何度も繰り返す(10分から20分間隔)
・10分以上痙攣が続く。
・脳炎や髄膜炎の可能性がある。
痙攣が見られた場合は、
慌てず何時何分に始まって何分間程度続いたか、
左右差がないかなどを観察する。
嘔吐などがあれば横を向かせて口の中のものをかき出す。
痙攣時に口にタオルを入れたりしない。
舌を噛んだりする心配はほとんどないし、噛んだところで、傷は引っ付きます。
泡吹いても冷静に拭って、慌てず触らずそっとしておきましょう。
【心肺停止】
呼吸をしていないのが確認できたら、顎を上げて気道を確保し、
乳児の鼻と口両方を口で覆って、
乳児の胸が軽く上がる程度にゆっくり2回吹き込みます。
両方を口で覆うことができなければ、気道確保した状態で、
乳児の鼻から吹き込みます。
一般に、乳児は鼻呼吸であり、鼻から吹き込む方が良いと思います。
人工呼吸を行っても胸の上昇が見られない場合は、
再度気道確保、再度人工呼吸を行います。
心停止と判断したら、心肺蘇生法を行います。
心臓マッサージの位置は胸骨(胸の硬い骨)の下1/2の所です。
乳首と乳首を結んだ線上の、胸の真ん中(胸骨の上)から
指一本下がったところに中指、薬指の指2本を胸骨に沿って置き
1分間に100回のスピードで5回胸を押します。
その後は、人工呼吸1回と心臓マッサージ5回を続けます。
心肺停止している場合は、心肺蘇生法を1分間続けてから、
119番通報して下さい。
通報後は、気道確保、人工呼吸1回、心臓マッサージ5回を繰り返し、
救急隊がそばに来て代わりますというまで継続して下さい。
人工呼吸は電話口でも指導してくれます。
もしやり方がわからなければ、先に通報してください。
************************************
ざっくりとまとめた内容ですが、慌てず、冷静に状況を把握し、
自分で判断せずに救急に連絡をすることが大切です。
乳幼児救命救急講座は定期的に開催の予定をしています。
次回は来年の1月の予定です。
また、ブログ等でご案内いたしますので是非ご参加ください。
ざっと内容をまとめたものをご案内いたしました
ご参考にしていただければと思います。
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大人の救急は急病によるものが多いのに対し、
子供の救急は怪我やアクシデントで一気に心肺停止です。
5歳までは8割が、お家が現場になります。
まず、アクシデントを起こさない環境づくりを心がけてください。
【誤飲】
とにかく、身の周りに置くもの、置き方に注意。
気道に飲み込んだものが詰まっていると考えられるときには、
背中を叩いたり、大きな子どもは腹部を圧迫する方法を試みます。
子どもの頭を胸よりやや低くした状態で、大人の片方の腕の上にうつぶせに乗せ、
下あごをしっかりとつかんで気道を確保し固定します。
もう片方の手のひらで、子どもの肩甲骨の間(背中の上のほう)を4~5回叩きます。
上を向けて心臓マッサージと同じ要領で胸部を数回圧迫しましょう。
呼吸が戻らなければ、救急に連絡し指示に従いましょう。
口の中に異物が見えないのに、指を入れてかき回すと、口の中を傷つけたり、
嘔吐を誘発するほか、かえって奥に押し込んでしまうこともあるので危険です。
激しく咳き込んでいる時は、吐き出す可能性があります、
そのまま見守りましょう。
もし、異物で完全に気道が閉じてしまっていたら、
咳ができない、声が出せない、息ができない状態になります。
タバコ、洗剤ジェルボールなどは、飲み込むと激しく嘔吐します。
ボタン電池は、体内放電しながらたんぱく質を溶かし内臓に穴を開けます。
飴やこんにゃくゼリーは当然ながら、
ピーナッツは子供の気道にすっぽりハマるサイズで、
水分を吸ってジャストフィットに膨張するわ、
つまみだそうとしてもつまみにくく、崩れて取り出しにくいです。
また、磁石を2個以上飲み込むと体内で引っ付こうとして、
胃や腸壁などを挟み込み、穴を開ける危険性もあります。
子供の手の届かないところに置くように十分気をつけましょう。
以下のものを飲み込んだときは、窒息や肺や食道を傷つけるので、吐かせず、
すぐに救急に連絡をして病院で対処してもらいましょう。
・揮発性のもの(石油・ガソリン・除光液など)
・強酸・強アルカリ(漂白剤やカビ取り剤、生石灰乾燥剤など)
・鋭利なもの(がびょう・ガラス・ホチキスの針など)
【殴打・転落】
落下物についてですが、テーブルクロス、電気ケトルや、炊飯器などから垂れてるコードもご用心。
引っ張ったら上から落ちてきます。
特に掴まり立ちの頃は、なんでもつかまって引っ張ります。
高所から転落しても、身長の3倍未満の高さであれば、
上から落ちても打ち所さえ悪くなければ大丈夫。
たとえ頭を強く打っても大声で泣けば、ほぼ大丈夫です。
ただ、嘔吐・視点が合わない・反応が悪い・痙攣、麻痺がある場合は危険です。
動かさず、すぐに救急に連絡しましょう。
3歳まで高いところで生活していると、
高所平気症になることがあるので、
高さへの恐怖心はちゃんと植え付けましょう。
【出血】
出血している部分をタオルなどで
完全に血が止まるまで1〜2分強く抑えるましょう。
止血のために紐で縛ったりするのは、今時しません。壊死します。
もう止まったかな?と、何度も手を離すと止まりません。
完全に止血するまでしっかり抑え続けてください。
【痙攣】
1歳から5歳までの間は、38度くらいの発熱で熱性痙攣を起こすことがあります。
熱性痙攣には、単純型痙攣と複雑型痙攣があります。
⭐︎単純型痙攣の特徴
・発熱から24時間以内
・痙攣に左右差がない
・重篤な病気の可能性は低く心配ない
⭐︎複雑型痙攣の特徴
・発熱から2.3日してから痙攣
・片方だけ痙攣するなど、左右で痙攣の症状が違う
・短時間で何度も繰り返す(10分から20分間隔)
・10分以上痙攣が続く。
・脳炎や髄膜炎の可能性がある。
痙攣が見られた場合は、
慌てず何時何分に始まって何分間程度続いたか、
左右差がないかなどを観察する。
嘔吐などがあれば横を向かせて口の中のものをかき出す。
痙攣時に口にタオルを入れたりしない。
舌を噛んだりする心配はほとんどないし、噛んだところで、傷は引っ付きます。
泡吹いても冷静に拭って、慌てず触らずそっとしておきましょう。
【心肺停止】
呼吸をしていないのが確認できたら、顎を上げて気道を確保し、
乳児の鼻と口両方を口で覆って、
乳児の胸が軽く上がる程度にゆっくり2回吹き込みます。
両方を口で覆うことができなければ、気道確保した状態で、
乳児の鼻から吹き込みます。
一般に、乳児は鼻呼吸であり、鼻から吹き込む方が良いと思います。
人工呼吸を行っても胸の上昇が見られない場合は、
再度気道確保、再度人工呼吸を行います。
心停止と判断したら、心肺蘇生法を行います。
心臓マッサージの位置は胸骨(胸の硬い骨)の下1/2の所です。
乳首と乳首を結んだ線上の、胸の真ん中(胸骨の上)から
指一本下がったところに中指、薬指の指2本を胸骨に沿って置き
1分間に100回のスピードで5回胸を押します。
その後は、人工呼吸1回と心臓マッサージ5回を続けます。
心肺停止している場合は、心肺蘇生法を1分間続けてから、
119番通報して下さい。
通報後は、気道確保、人工呼吸1回、心臓マッサージ5回を繰り返し、
救急隊がそばに来て代わりますというまで継続して下さい。
人工呼吸は電話口でも指導してくれます。
もしやり方がわからなければ、先に通報してください。
************************************
ざっくりとまとめた内容ですが、慌てず、冷静に状況を把握し、
自分で判断せずに救急に連絡をすることが大切です。
乳幼児救命救急講座は定期的に開催の予定をしています。
次回は来年の1月の予定です。
また、ブログ等でご案内いたしますので是非ご参加ください。
by hyamada_clinic
| 2016-08-30 19:19
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