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乳幼児救命救急セミナー

先日は、ママサポ滋賀さんと共同開催の幼児救命救急講習会でした。
ざっと内容をまとめたものをご案内いたしました
ご参考にしていただければと思います。

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大人の救急は急病によるものが多いのに対し、
子供の救急は怪我やアクシデントで一気に心肺停止です。
5歳までは8割が、お家が現場になります。
まず、アクシデントを起こさない環境づくりを心がけてください。

【誤飲】

とにかく、身の周りに置くもの、置き方に注意。

気道に飲み込んだものが詰まっていると考えられるときには、
背中を叩いたり、大きな子どもは腹部を圧迫する方法を試みます。

子どもの頭を胸よりやや低くした状態で、大人の片方の腕の上にうつぶせに乗せ、
下あごをしっかりとつかんで気道を確保し固定します。
もう片方の手のひらで、子どもの肩甲骨の間(背中の上のほう)を4~5回叩きます。
乳幼児救命救急セミナー_b0109423_18372678.png

上を向けて心臓マッサージと同じ要領で胸部を数回圧迫しましょう。
乳幼児救命救急セミナー_b0109423_18421056.png

呼吸が戻らなければ、救急に連絡し指示に従いましょう。

口の中に異物が見えないのに、指を入れてかき回すと、口の中を傷つけたり、
嘔吐を誘発するほか、かえって奥に押し込んでしまうこともあるので危険です。
激しく咳き込んでいる時は、吐き出す可能性があります、
そのまま見守りましょう。
もし、異物で完全に気道が閉じてしまっていたら、
咳ができない、声が出せない、息ができない状態になります。

タバコ、洗剤ジェルボールなどは、飲み込むと激しく嘔吐します。
ボタン電池は、体内放電しながらたんぱく質を溶かし内臓に穴を開けます。
飴やこんにゃくゼリーは当然ながら、
ピーナッツは子供の気道にすっぽりハマるサイズで、
水分を吸ってジャストフィットに膨張するわ、
つまみだそうとしてもつまみにくく、崩れて取り出しにくいです。
また、磁石を2個以上飲み込むと体内で引っ付こうとして、
胃や腸壁などを挟み込み、穴を開ける危険性もあります。
子供の手の届かないところに置くように十分気をつけましょう。

以下のものを飲み込んだときは、窒息や肺や食道を傷つけるので、吐かせず、
すぐに救急に連絡をして病院で対処してもらいましょう。
・揮発性のもの(石油・ガソリン・除光液など)
・強酸・強アルカリ(漂白剤やカビ取り剤、生石灰乾燥剤など)
・鋭利なもの(がびょう・ガラス・ホチキスの針など)

【殴打・転落】

落下物についてですが、テーブルクロス、電気ケトルや、炊飯器などから垂れてるコードもご用心。
引っ張ったら上から落ちてきます。
特に掴まり立ちの頃は、なんでもつかまって引っ張ります。

高所から転落しても、身長の3倍未満の高さであれば、
上から落ちても打ち所さえ悪くなければ大丈夫。
たとえ頭を強く打っても大声で泣けば、ほぼ大丈夫です。

ただ、嘔吐・視点が合わない・反応が悪い・痙攣、麻痺がある場合は危険です。
動かさず、すぐに救急に連絡しましょう。

3歳まで高いところで生活していると、
高所平気症になることがあるので、
高さへの恐怖心はちゃんと植え付けましょう。

【出血】

出血している部分をタオルなどで
完全に血が止まるまで1〜2分強く抑えるましょう。
止血のために紐で縛ったりするのは、今時しません。壊死します。

もう止まったかな?と、何度も手を離すと止まりません。
完全に止血するまでしっかり抑え続けてください。

【痙攣】

1歳から5歳までの間は、38度くらいの発熱で熱性痙攣を起こすことがあります。
熱性痙攣には、単純型痙攣と複雑型痙攣があります。

⭐︎単純型痙攣の特徴
・発熱から24時間以内
・痙攣に左右差がない
・重篤な病気の可能性は低く心配ない

⭐︎複雑型痙攣の特徴
・発熱から2.3日してから痙攣
・片方だけ痙攣するなど、左右で痙攣の症状が違う
・短時間で何度も繰り返す(10分から20分間隔)
・10分以上痙攣が続く。
・脳炎や髄膜炎の可能性がある。

痙攣が見られた場合は、
慌てず何時何分に始まって何分間程度続いたか、
左右差がないかなどを観察する。
嘔吐などがあれば横を向かせて口の中のものをかき出す。
痙攣時に口にタオルを入れたりしない。
舌を噛んだりする心配はほとんどないし、噛んだところで、傷は引っ付きます。
泡吹いても冷静に拭って、慌てず触らずそっとしておきましょう。

【心肺停止】

呼吸をしていないのが確認できたら、顎を上げて気道を確保し、
乳児の鼻と口両方を口で覆って、
乳児の胸が軽く上がる程度にゆっくり2回吹き込みます。

両方を口で覆うことができなければ、気道確保した状態で、
乳児の鼻から吹き込みます。
一般に、乳児は鼻呼吸であり、鼻から吹き込む方が良いと思います。
人工呼吸を行っても胸の上昇が見られない場合は、
再度気道確保、再度人工呼吸を行います。

心停止と判断したら、心肺蘇生法を行います。
心臓マッサージの位置は胸骨(胸の硬い骨)の下1/2の所です。
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乳首と乳首を結んだ線上の、胸の真ん中(胸骨の上)から
指一本下がったところに中指、薬指の指2本を胸骨に沿って置き
1分間に100回のスピードで5回胸を押します。
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その後は、人工呼吸1回と心臓マッサージ5回を続けます。

心肺停止している場合は、心肺蘇生法を1分間続けてから、
119番通報して下さい。
通報後は、気道確保、人工呼吸1回、心臓マッサージ5回を繰り返し、
救急隊がそばに来て代わりますというまで継続して下さい。

人工呼吸は電話口でも指導してくれます。
もしやり方がわからなければ、先に通報してください。

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ざっくりとまとめた内容ですが、慌てず、冷静に状況を把握し、
自分で判断せずに救急に連絡をすることが大切です。

乳幼児救命救急講座は定期的に開催の予定をしています。
次回は来年の1月の予定です。

また、ブログ等でご案内いたしますので是非ご参加ください。



by hyamada_clinic | 2016-08-30 19:19 | お教室・イベント

女性であることをいつまでも楽しんでほしい。滋賀県の山田産婦人科からの情報発信です。お問い合わせはycyamada@gmail.comまでご連絡ください。
by hyamada_clinic
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